「考える力」をつける本: 本・ニュースの読み方から情報整理、発想の技術まで (単行本)
轡田 隆史
三笠書房 (2013-09-12)
ISBN:9784837925132
1,188円
購入:2014年10月12日 1,188円
読了:2016年1月30日
★★★★★
オーディオブックにて読了。
紙の本も途中まで読んでほったらかしにしていたので、改めて読み直したい。

新聞というメディアについて考えさせられる本。ネットニュースがあればいい、というのは速報性の観点から言えばYesかもしれないが、取材と物書きのプロ達が世の中の出来事を社会、経済、政治、文化と多岐にわたってコンパクトにまとめているというのはやっぱり凄い事なのだと思う。

仮に自分がそれだけの事を調査しようとすれば、かなりの時間が掛かるし、情報を整理しきれるか、分かりやすく切り取れるかは甚だ疑問である。そういうのに長けた人々が、自分の代わりに1日分の情報を集めて分かりやすくまとめてくれていると思うと、月4000円程度の出費というのはやはり安いのかもしれない。

この本はそういう事に長けた人である筆者が「知的生産」を行う為の情報収集、整理、考え方、アウトプットについて丁寧に事例を交えて述べてくれる良書である。何より、筆者自身の日本語がとても美しいので、人に読ませる文章とはこういう文章なのだなと、痛感させられる。

筆者が原稿をパソコンで打ってから鉛筆で清書するという下りがある。子供の頃から「形から入る」ことに対して、どこか実が伴っていないことを揶揄するような意味合いを感じていたが、今大人になって思う事は「形から入る」こと、あるいは「型を作ること」の効果は計り知れないということ。

五郎丸選手のルーティンやイチロー選手のカレー(今は違うらしいけど)など、パフォーマンスを出す為の「いつもの形」を作り出しておくことで、意図的にスイッチを入れることができるようになる。効率性だけを考えれば不必要、無駄に思える儀式も、パフォーマンスを出す為には必要な要素であったりする。

本書を読むことで、ごく自然に日常的な情報収集・整理・アウトプットができるだけの知識を得ることができるだろう。筆者はプロの物書きであるが、本書に書かれている内容は物書きのテクニックというよりも、プロフェッショナルとして身に付けておきたい情報リテラシである様に思う。あらゆる職業の人にお奨めしたい。
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